一般社団法人八王子青年会議所 2024年度理事長所信 第59代理事長 藤田 愛樹

【はじめに】

人は生まれながらに持っているものがあります。それは、誰でも幸せになる権利です。 それでは、幸せとは一体何でしょうか。人それぞれ幸せを感じる基準は違います。しかし、多くの人が想い描く「幸せ」とは大きく違いはないのではないでしょうか。小さな 子供がくったくのない笑顔で微笑んだ時、手助けをする優しい青年を見た時、スポーツ中継に夢中になり試合に勝った時など、どんな場面においてもそこには必ず「笑 顔」があります。明るい豊かな社会とは争いのない誰もが笑顔で歩んでいける社会で はないでしょうか。明るい豊かな社会の実現を目指す私たち青年会議所は、地域のリ ーダーを育成し、地域や社会に幸せをもたらす存在にならなければなりません。その ためには、まずは自分自身が幸せであることを実感し、何事にも挑戦する気持ちや思 いやりの心を持って人生を歩んでいかなければならないと考えます。そして、私たち が目指すべき真のリーダーとは地域や社会から必要とされ人々から共感される青年 経済人でなければなりません。戦うことを辞めたときそれは自身の成長を止めるとい うことです。私自身、まだまだ未熟者で学ぶべき点は多々あります。しかし、決して諦 めることなく挑戦する気持ちと青年会議所への情熱を絶やさないことをここにお誓い 申し上げます。

【魅力的で活気あふれるまちづくり】

長きにわたりまちの発展と共に歩んできた青年会議所では、様々な団体や組織にお いて、青年会議所出身の方々が中心となり沢山の場面で活躍されています。まさに 青年会議所運動を通じてまちの発展に寄与してきました。歴史溢れるここ八王子は自 然豊かなまち、全国でも有数の学園都市としての顔や首都東京の都心部へ出やすい インフラも整っているまちです。約56万人が住み暮らすまち八王子はこれから先の未 来どのような特色を活かし更なる発展を遂げていく可能性があるのでしょうか。数多く ある可能性の一つとして、定住率を上げ関係人口を増やし、人で溢れかえるまちを目 指せると確信しています。そのキーパーソンは若者ではないでしょうか。未来を担う学 生が多く存在する八王子では彼ら彼女らの居心地の良いふるさとになれるようまちが 変貌していかなければなりません。八王子ならではの魅力的な企業を学生たちが気 づくことはもちろんのこと、学生たちが心から居続けたいと思え、学生が活躍できる場 があり、何よりも学生が「挑戦」できるまちであり、そんな学生を支援できる環境が整 っており、安心安全なまちの創造を目指したいと考えると同時に、その基盤を作る一 年としていきます。

【青少年育成を中心とした人格形成】

まちは人であり、人がまちを形成します。今時代が求める人財とはどんな人財でしょう か。VUCA な時代と呼ばれる昨今では従来のPDCA サイクルの考え方を基本としさら に不確かさ、曖昧さ、不確実性に適応した人財が求められています。三年前、世界を 恐怖に包んだ新型コロナウィルス蔓延を経験し、人と会う機会を奪われこれまで積み 上げてきた仕事や活動の制限がかかり私たちの日常は大きく変化しました。AI の台 頭やDX 技術の進化など、急速な時代の変化と共に、デジタル化が一気に進みまし た。しかし、デジタル化が進む一方でそれを使いこなす私たちの質が問われているの ではないでしょうか。これから先の未来をどう生き、自分自身がどうあるべきなのか。 そんな不確かな時代だからこそできる生き方が必ずあると信じています。そこで重要 になってくるポイントとして、子供たちにどれだけ共感を得られるかだと私は強く考え ます。私たち大人は、日々時代の変化を捉え、様々な知識を取り入れ常にアップデー トしていかなければなりません。しかし、私たちが成長していくスピードよりも子供たち のスピードはもっと速く時代の変化に適応しています。実は、子供たちに教えてあげ ているようで、逆に子供たちから教わることのほうが多いのではないでしょうか。真の リーダーには、次世代を担う子供たちが輝ける環境を作ろうとする意志が必要不可欠 です。まさに青少年育成を通じ、魅力あるまちづくりを目指した人財育成こそ青年会 議所の醍醐味だと確信しています。

【交流の可能性】

私たち八王子青年会議所の歴史は50年以上続く由緒ある団体であると同時に、先 輩諸兄姉の皆様がこれまで繋げてきていただいたからこそ今の私たちがあります。そ の繋いできて頂いた財産の中に様々な交流の機会があります。国内外に問わず、同 じ志を持った最高の仲間がいます。有事の際、ビジネスパートナーやさらには一生涯 の友として家族ぐるみの関係性を築けています。この関係を50年、100年先と私た ちの子孫に繋げていけることに慈恵の念を抱くしかありません。さらに、姉妹都市だけ の交流だけではなく私たちが住み暮らすわがまち八王子には、まちを愛し、まちの発 展を私たち同様切に願う団体や組織は沢山存在します。そんなまちを愛する者同士、 共に刺激し合い切磋琢磨しながら交流を図り、まちの発展に寄与すると同時に、八王 子青年会議所のさらなる発展に繋げていきたいと考えます。また、私たちは青年会議 所運動だけ行っていれば幸せになれるのでしょうか。私たちは仕事を持ち、働き経済 を動かしていく必要があります。狭い世界だけのコミュニティーよりも、自身の可能性 を高めるために、幅広い人脈を作っていくことが何よりも重要であると確信しています。 私自身、今日まで大勢の人たちに助けられ支えていただきました。そんな感謝の念し かない、かけがえのない仲間は自身が生きていく上で最大の武器なのです。

【組織力の強化】

現在、私たちの組織は年々減少傾向にあります。それは一体どんな原因があるので しょうか。人口減少、他組織の台頭、企業体制の変化など様々な要因がある中で、青 年会議所に携わるメンバーの属性の変化があります。私たちの組織は、JC しかなか った時代からJC もある時代へと変貌してきています。企業における2代目3代目が大 半を占めていたメンバーの属性から起業家や個人事業主、サラリーマンなど、多様性 に富んだメンバーが在籍するようになりました。したがって、様々な価値観を持ったメ ンバーが集まり、同じ方向を向き運動展開することが昨今では課題となってきました。 しかし、脈々と受け継がれてきた青年会議所の理念や指針は普遍的なものがあると 同時に、今の時代に則した組織運営が問われていることは必須です。活動、運動し やすい環境を整え、個の能力を向上していくことはもちろんのこと、誰もが輝ける組織 として成長していかなければなりません。本年度は、会としての運動を支え健全な財 務管理をしメンバーが運動・活動しやすい環境を整え内政強化を図ることを目的とし た「総務会計」、運動を広く展開し多くの方に周知するための発信を強化する「広報」、 会としての様々な対外関係をより盤石にするための「渉外」、特に近年ではSNS を使 用した発信がどの団体や個人においても急務であり、私たちの運動を市民に向けて 発信する課題はとても重要です。この3本柱を軸に組織力向上を図ってまいります。

【青年会議所の魅力】

青年会議所の魅力とは何でしょうか。私は「仲間」だと確信しています。同じ時代を歩 む仲間はこの先どんな困難が立ちはだかろうと絶対に乗り切れる最高の財産です。 青年会議所では成長と発展の機会があり、地域貢献や社会貢献活動を通じて自身 に足りないこと、組織運営、課題抽出からの問題解決能力の向上など様々な学びが 青年会議所には詰まっています。いつの時代でも青年会議所は会議という手法でそ の時々のベストアンサーを追い求めてきました。時には仲間同士ぶつかり合うことも 沢山あり、それらを乗り越えてきたからこそ達成感という共通の料理を一緒に味わい 初めて真の仲間という形が形成されてきたと感じます。一緒に楽しむだけではなく共 に学び互いに成長し合えるからこそ一生涯の友を得ることができるのだと改めて思い ます。まちづくりを通じ、人生を彩り豊かに染めていける仲間を、人生の最高の友を私 たち青年会議所は常に貪欲に探し求め続けます。

【結びに】

私は決して強い人間ではありません。しかし、私には信頼できる仲間がいます。その 大切な仲間と共に地域に必要とされ、共感される組織を構築していきます。その先に 必ず私たちが輝ける居場所があると信じています。そのためにも真のリーダー、英語 ではLeader=指導者と訳しますが、私は「始動者」、自らが率先して誰よりも先に動く ことに挑戦します。人生は常に選択肢があり、自らが自らの道を選ぶしかありません。 青年会議所には様々な機会が存在します。その「機会」をどのように「選択」すればよ いのでしょうか。高揚感、思いやり、情熱の三つのValue を軸に、ダーウィンの言葉に もあるように時代の変化に適応した者を目指します。私だけではなく、メンバー一人ひ とりが何の為に青年会議所に入会したのか、何のために、誰のために、運動展開す るのか。そんなPurpose を確立していきます。そして何より、メンバーと共に笑顔を忘 れずとにかく全力で楽しみ、自分なりの「幸せ」を勝ち取ります。彩り豊かな人生の為に私は決して諦めません。